口臭の原因は、ほとんどは口の中にある
あるとき、家内から「あなた息が臭いわよ。胃が悪いんじやない」と指摘され、子どもたちからは「パパロが臭い、あっちへ行ってよ」と言われたことがあります。家族ですから、遠慮しないで正直に言ったのでしょう。
「そうかい…」と言って平静さを装ったものの、内心かなり傷つきました。
これが他人からの指摘だったら、もっと落ち込んでいたことでしょう。
この短い会話のなかに、いくつかの間題点があります。
まず胃の病気が口臭の直接原因と一般的に言われているのは誤りです。よほど病気が進行していなければ、そんなことはありません。迷信のひとつと言ってもいいでしょう。
口臭のほとんどの原因は口の中にあります。ですから、その原因を除去し、的確な対策を行い、自分の生活習慣の中に取り入れれば、口臭は容易に軽減します。
次に他人の口臭を指摘することの是非とタイミングについてです。 家族や親しい友人からの指摘は、むしろ愛情・友情として歓迎すべきことかもしれません。
口臭があるのに、自分で気がついていない人が意外と多いからです。自分の口臭が気になる人20パーセント、他人の口臭が気になる人80%、というデータがありますが、このようなデータから見ても、自分に鈍感、他人に敏感な現象が現実にあります。
私自身、他人の口臭が気になったとしても、診療室以外では、それを言葉に出して注意することはなかなかできません。勇気のいることです。しかし、タイミングよく、言葉を選んでやさしく声をかけてあげれば、言われた本人も悪い気はしないと思います。冒頭の私の子どもの場合、言葉がストレートすぎて、いくら家族でも配慮不足だと思います。
近所の喫茶店にトイープードルのとても可愛い犬がいます。皆の人気者で、扉を開けると嬉しそうにしっぼを振りながら走り寄ってきます。客がコーヒーを飲むと、自分にもと主人に訴えミルクを飲みます。
ある日、あまり可愛いので顔を寄せ、この子大とコミュニケーションをとりました。そのとき感じた口臭の強さに、思わず顔をそむけました。歯科医としての職業意識が働き、原因は何かと探ることにしました。大にも歯周病があるのはご存じでしょう。歯には歯石がつき、舌も汚れていました。そうです。この子犬の口臭も人間の場合と似た病因だと感じました。
北海道の函館歯科医師会は1998年4月より「口臭さよなら宣言」のキャンペーンを始めました。その目的は、古くて身近なテーマである口臭を取り上げることで、その原因や治療法を理解してもらうことと、二義的には共同作業を通して、患者さんと歯科医の距離を縮めることにありました。スーパーや薬局で若者を中心に口臭対策グッズやデオドラント商品がよく売れていることもヒントになりました。テレビやラジオで広報活動を行い、ポスターには「あなたの息をフレッシュにします」のコピーをつけました。
同年6月6日、市内のスーパーで開催された「歯の衛生週間」の行事には、「口臭さよならキャンペーン」が効果的だったのでしょう、多くの市民が来場し大盛況でした。また、会場で口臭測定を行ったところ、市民の関心は大変高かったとのことです。
歯の美白と口臭治療
ここでアメリカに目を向けてみましょう。
アメリカの審美歯科学会に10年以上連続して参加し、その動向に注目をしてきました。審美歯科は日本でも、松田聖子さんの結婚相手が審美歯科の歯科医だったことを機に一躍有名になりましたが、この分野の先進国アメリカでは、1980年代に入り大変盛んになり、歯科医療の主流になっています。
審美歯科とは、美学の歯科医学への適用を言いますが、もっと具体的に言えば歯、口腔、顎、顔面の形や色、機能の美しさを再現させることが目的の歯科医療です。
学会の発表のなかに近年目立ってきたのが口臭のテーマです。なぜ口臭が審美歯科なの? と思われるでしょう。対人関係を大切にし、キスの習慣のあるアメリカでは、さわやかな息すなわちフレッシュ・ブレスこそ、 「見えない審美」として、いま歯科医の間に話題を呼んでいます。口臭治療を行う歯科医院もどんどん増えています。
もうひとつの魅力あるテーマである「歯の美白」と共に「口臭治療」は息の長いブームを続けています。
こうした傾向は日本にも入ってきました。
これからの日本の歯科医療は、従来の痛いから治す、抜けたから入れる、穴があいたからつめるというパターンから、生活の質の向上や人びとの幸福にかかわる快適さを求める方向へ変わっていくでしょう。治療から予防へと歯科医療が方向転換をしているとも言えましょう。
98年4月には日本歯科人間ドック学会加誕上しました。この学会の目指すものは、患者さんを主体にした予防医学の実践です。「治療医学」から「予防医学」、そして「未病医学」さらに「幸福医学」にまで進めていくのが目的です。歯科ドックの検査メニューのなかにも口臭測定が用意されています。
口臭とは
そもそも口臭とは何でしょうか。改めてここで医学的に定義づければ 「呼吸や会話の際、息が他人にとって不愉快に感じられ、悪臭と判断されること」です。
人間も生き物ですから、多少は息がにおっても当然とも言えましょう。身体のメカニズムの中で、口は活発に休みなく働く工場の役割をしています。呼吸をし、言葉を発し、飲んだり食べたり咀閣にかかおり、歌も歌えば楽器も吹く、愛情の表現さえ行います。生命体にとって「始めに口ありき」であり、上きる門戸でもあります。ですから口臭は必然的に副次的に出てくるのです。確かに日臭の存在は、人間のコミュニケーションの中で相手に不快感を与えたり、良好な人間関係の障害になることがあります。
しかし、そんなに恐れたり、悩むことはありません。このサイトをよく読んで、口臭の実態とその対策を理解していただきたいと思います。
- 口臭の原因は、ほとんどは口の中にある
口臭とは何でしょうか。改めてここで医学的に定義づければ 「呼吸や会話の際、息が他人にとって不愉快に感じられ、悪臭と判断されること」です。 - 口臭チェック~チューブテスト
※このテストには協力者が必要です。家族や友人など、気楽に頼める人に協力しても... - 口臭チェック~コップテスト~
このテストは、歯磨きする前、そして、食事をする前に行います。 きれい... - 自分で簡単にできる口臭テスト
複数のテストを試してみて、はたして「口臭が強い」のかどうか、自分の口臭レベルを把握しておきましょう。 口臭チェツクリスト - 自臭症と他臭症はここが違う
「他臭症」は、明らかに口臭の原因があり、他人にもそのにおいを感じさせる口臭です。 「自臭症」は、調ぺてみても口臭の原因はなく、他人もにおいを感じないのに、自分は口臭が強いと思い込んでいる状態です。 - 意外な口臭の原因~薬が原因になることも~
治療の必要からどうしても薬は代えられない、でも口臭が気になるという場合には、応急策として、人と会う前にうがい薬を利用したり、ガムなどをかむようにするとよいでしょう。唾液の分泌も活発になりますし、一時的とはいえ、口臭が気にならなくなります。 - 病気による口臭
たとえにおいがきつかったとしても、歯磨きやうがいなどの、簡単な予防策を実行するだけで口臭を取り去ることが可能です。 また、においの強い食べ物を食べたときやタパコによる口臭も、強い口臭の原因には違いありませんが、全体的に見れば少数派です。 口臭の多数派は、これから述べる「病気による口臭」です。 - 食べ物・タバコによる口臭
長年にわたり喫煙生活を続け、ヘビースモーカーになればなるほど、タパコのにおいは自分自身にとって日常的なものとなっています。においの慣れが生じているのです。喫煙による口臭にも慣れきって、すっかり無頓着になってしまっています。 - 起床時の口臭(モーニングーブレス)
起床時の口臭(モーニングーブレス) 起床直後に口の中がネパネパしていて、不... - 誰にでもある「生理的口臭」
唾液の分泌される量は一日のうちで波があり、分泌量が少ない時間帯は、唾液による自浄作用が働きにくく、口臭も出やすくなるのです。 - においがわかる画期的な測定機器
口臭の正体である揮発性硫化物という成分の量を客観的に測定できる装置に、「ガス... - 口臭の原因となる成分は揮発性硫化物
さて、口臭の原因となる成分には、主に次の3つのものがわかっています。 第一... - なぜ自分の口臭は気づきにくいのか
嗅覚にはこうした感覚の慣れを生じる性質があるのです。そのため、自分の口臭と長年付き合っていると、なかなか自分では気づきにくくなるというわけです。 - 口は、においのターミナル
口がくさいかなと感じたら、まずは原因を見つけることが肝心です。原因を究明せずに、「口がくさい」と不安にかられているだけでは、症状は改善しません。原因がはっきりすれば、対策は必ず見つかります。 - 「口臭衛生」は公衆衛生の問題
口臭もそのひとつであり、公衆衛生のひとつとして口臭衛生があるといえるでしょう。お互いに不快な思いをしないように努力する、現代人のエチケットの一つにあげられ るのではないでしょうか。 - 不快のにおいは、口臭と答える人がトップ
口臭を指摘してくれた母親に感謝している人、口の中の衛生管理は心のケア、という入、だらしない人間と思われないよう口臭には気 をつけていきたい、という人、口臭はコントロールできるをモットーに、人一倍、口臭予防に気をつかう人など、口臭についての悩みと、その解決に努力する実体験集です。 - 「自分の口臭が気になる」と答えた人は20%
口臭を気にしている人は実際にどれくらいいるのでしょうか。 東京都が行った「成人期健康栄養調査、「(自分の)口臭が気になる」と答えた人は20.7%でした。